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中高一貫校の挑戦 片山学園発(上)梅雨が明け、夏も盛り。終業式は終えたというのに、制服姿の生徒たちが授業を受けている。県内初の中高一貫教育校を目指し、4月に開校した私立の片山学園中学(富山市東黒牧)。同中で学ぶ生徒たちの表情を追いながら、取り組みの課題を探る。 ![]() 理科の夜間授業を受ける寮生たち。時計の針は午後8時半を回っている(片山学園中の寮で)
多い授業時間 2年で公立3年分学習「この式は、30人を3人と4人のいくつかのグループに分けたい時、それぞれ何グループずつにすればいいかということだな」。7月上旬。橋本尚則校長(51)が担当する数学の授業でそう説明すると、1年生たちは「3x+4y=30(xとyは0以上の整数)」を満たすようなxとyを探し始めた。 これは、公立中なら2年生で習う「連立方程式」への布石。「関連のある分野で一緒に教えることが有効なら、公立が2年、3年で教える分野でも合わせて教えています」 同中を運営する学校法人の母体は学習塾「富山育英センター」。教員は11人おり、みな同センターの元講師だ。独自のテキストを作って授業を進め、2年間で公立中3年間分の内容を教える。同様に高校でも学習内容を先取りし、その先に大学受験がある。 1学年の定員は80人で、現在は95人が在籍する。週に2日は7時限の授業があり、公立が休みの土曜日に4時限の補充授業、月曜から金曜までの夜間には英、数、理を中心にした1時間半の授業もある。全体では公立の約1・8倍の授業時間数になるという。 富山市出身で寮生活を送っている山田早希子さん(12)は「入学したころは夜の授業を受けていると眠たかったけど、今は慣れた。一人だと甘えてしまうから、勉強の時間が決まっている方がいい」と、すっかりこの生活が当たり前になっている様子だ。 初年度の費用は、入学金15万円、年間授業料36万円、施設費24万円(年額)で計75万円。私立中に通わせるには保護者の経済力が必要で実際、同中の生徒の保護者の約3分の1は医師という。 ただ、文部科学省が全国の私立中を対象に実施した2004年度の調査平均(約74万2000円)とほぼ同額。同センターによると、中学1年生が英語と数学を1年間学ぶと夏期講習も含め29万円ほどかかるから、「授業時間数や塾に通うことを考えれば、学校の費用は決して高額ではない」と保護者の一人は語る。 手厚い授業内容の背景には、同中が開校時に掲げたマニフェスト(公約)がある。「東大20人、医学部医学科20人合格」。その決意について、片山浄見理事長(55)はこう語る。「マニフェストを作った以上は必ず達成しなければならない。ただ、たくさん教えるだけでなく、わかるまで教える姿勢を常に意識する。それが塾が作った学校の意義だと思う」 (2005年7月28日 読売新聞)
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