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方言の豊かさ実感して 富山大付属中でユニーク授業
生徒が持ち寄った富山弁が書かれたクリアファイルや新聞整理袋などを見る宮崎教諭(富山大付属中で)
かつては学校教育で「矯正」の対象でさえあった方言だが、近年は日本語の表現を豊かにするものとしてその価値が見直されている。富山市五艘の富山大付属中では、富山弁の良さを生徒に気付かせ、言語感覚を養うユニークな国語の授業が行われた。 授業は昨年11月、宮崎理恵教諭が2年の4学級で、それぞれ4時間ずつ行った。 「お年寄りの言葉」「田舎くさい」。多くの生徒は方言にこんなイメージを持っていたという。授業前の意識調査では、「方言が好きですか」との質問に39%が「あまり」「まったく」好きではないと回答。「方言を恥ずかしい」と思う生徒も「とても」「まあまあ」合わせて28%だった。 富山弁を題材とした授業は、「国語で取り扱うのは、教科書や作文が中心」と感じていた宮崎教諭が、ふだんは意識していない日常の話し言葉を見直すきっかけになればと発案。授業では、生徒に会話をさせて、相手に応じてどのように言葉を使い分けるかを意識させたり、知っている富山弁を挙げさせたりした。 例えば「きのどくな」(ありがとう)は、ほとんどの生徒にとって「知っているけれど使わない」言葉。それでも富山弁として親しまれてきたのはなぜか――。話し合いを通じて、共通語には簡単に置き換えられないニュアンスを含む言葉で、「気遣いをする優しい県民性が表れている」と生徒たちは気付いた。 富山弁が使われている身近なものを持ち寄り、「なぜ方言を使うか」も考えた。交通安全ののぼり、クリアファイル、新聞整理袋……。「顔も見んがに金振り込んだらあかんちゃ!」「鍵かけんまいけ」などお年寄り向けの防犯の呼びかけに富山弁が多いのは、「お年寄りには方言の方が親しみやすいから」という発見があった。最後の4時間目には方言詩を創作し、富山弁の響きを生かした作品を互いに読み合った。 生徒からは「改めて言葉の温かさ、込められている思いが見えてきた」「時と場合、相手や場所を考えて使っていきたい」など、長所・短所含めて方言の豊かさを実感する感想が寄せられたという。「今は方言を尊重し、その面白さや楽しさを味わう時代」と宮崎教諭。授業後の意識調査では、方言が好きではない生徒の割合は19%に減っていた。 (
2012年2月9日
読売新聞)
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