「高齢者や家族に頼られる存在でありたい」と話す糸尾陽子
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高齢者介護
穏やかな老後ともに願い
高齢者の介護は、多くの女性に支えられている。介護経験者や施設職員など立場は様々だが、「穏やかな老後を」と願う気持ちは同じだ。(加藤賢治)
(敬称略)
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デイサービスセンター「アイリスケアセンター大額」(金沢市)に入ると、通所の高齢者が往年のヒット歌謡「高校三年生」をカラオケに合わせて口ずさんでいた。口腔機能を向上させるトレーニングだ。通所介護の施設長で社会福祉士の糸尾陽子(29)(小松市)は、一緒に口ずさみながら、指先で歌詞を示す。「お年寄りと職員が互いに『ありがとう』と声をかけあう職場。役に立っていると実感が持てる」
大学卒業後、旧根上町の病院で医療相談員を経て、介護施設の相談員に。高齢者や家族の相談に乗るが、80歳代後半の通所者が多く、「孫のようなあなたに話しても……」と言われることも。だが、くじけない。心を開いてもらうため、方言を交えて昔のことを尋ねる。「戦争の話は、第二次大戦ではなく、大東亜戦争と言わないと通じない」。新たな発見の毎日だ。
「高齢者や家族に頼られる存在でありたい」との思いを胸に、今日も笑顔で高齢者に話しかける。
役に立っている実感/ 認知症でも外出させる/ 頑張りすぎない

高塚玲子
「認知症の人が自由に歩ける世の中になれば」と話すのは、認知症の高齢者6人が共同生活するグループホーム「とまり木」を運営する高塚玲子(52)(能美市)。
外に出たがる高齢者を無理に引き留めない。数百メートル歩いてから、「帰りましょうか」と声をかける。「ホームに閉じ込めて、症状が良くなるわけがない」
義母も認知症で、はいかいした。在宅介護の経験から、「身内にはわがままも出る。施設に入り、お年寄りと家族が距離を保てば互いに余裕が出来る」と話す。
野菜や花をホームに届けてくれる近所の住民もいる。「認知症でも穏やかに暮らせることを知ってほしい」との願いは、地域に浸透しつつある。
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中野啓子
「自分で出来なければ、人に補ってもらえばいい」
NPO法人「さわやかいいね金沢」理事長の中野啓子(57)(金沢市)は、有料ボランティアで介護を支える。1時間700円で調理や雪かき、草むしりなど、高齢者の生活を支援する。
家族だけで世話をする介護は、いつか行き詰まる。介護疲れによる虐待や心中事件など、悲惨な結末も少なくない。「お金を払うことで、他人に助けてもらう後ろめたさがなくなる」。他人に頼ることは、恥ずかしいことではない――。「みんなで助け合おう」という活動の原点が、今も心の支えだ。
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松尾桂子
「小松市介護者の会」世話人代表の松尾桂子(65)(小松市)は、認知症の義母を7年間在宅介護した。2000年開始の介護保険制度の前のことだ。介護ストレスから1年で円形脱毛症になり、会に救いを求めた。
「昔は、他人様には任せられないと、一人で介護していた。だが、一人では要介護者と共倒れになる」と痛感した。会員は介護者や介護経験者の約130人。悩み事や愚痴を言い合うことで、気分が楽になる。
「頑張りすぎないで、肩の力を抜くこと。介護保険を活用して、自分をリフレッシュする時間を持つことが大切」。介護者にそうアドバイスする。
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二山未菜美
二山未菜美(19)(金沢市)は、介護福祉士の資格取得を目指し、金沢福祉専門学校で学ぶ。おむつの不快感も体験し、おむつ替えの大切さを実感した。実習で排せつ物が手に付くこともある。最初は驚いたが、今は気にならない。
「古里の輪島は高齢者が高齢者を介護する老老介護が多い」。資格取得後に輪島へ戻り、地域福祉に貢献する日を夢見る。(敬称略)
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(2006年4月29日 読売新聞)