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日めくりで粋な英語

北陸日米文化協会常任理事 木谷 泰(きや やすし)

タイトル「読むミルク」

 「英検」では毎年「日めくりカレンダー」を制作、検定実施委員の筆者には、数冊、暮れに寄贈いただいている。

 一日一日、目に触れさせ、記憶に残し、心に刻んでおくため、大変有用な短い会話表現やことわざ、「面白クイズ」などが一年間計画的に編集されている。

 この文章が載る2月8日の日めくりを見る。

 「2月にしては暖かいわ」「地球温暖化が原因さ」という二人の会話が載って表現するように求めている。英訳はIt’s warm for February.  It’s because of global warming.である。

 翌9日には、「僕は妻と言い争いたくないから、我慢するのさ」を英語で。

 争うは「格闘」のfightや、「きれる」のquarrelはあまり使わないでユーモラスにcross swords with「剣を交える」という洒落た表現を使おう。「我慢する」put up withは普通の熟語。大学入試用だ。

 I don’t want to cross swords with my wife, so I put up with it.

 2月13日をめくるとフランスの哲学者モンテーニュの言葉が出ている。

 Unless a man feels he has a good enough memory, he should never venture to lie.

 お分かりだろうか。大学二次入試のためにもなる英文解釈の良問。そんな時期だからあえて取り上げてみた。「Unless」は、「If〜not」である。「venture to」は「リスクを冒す」である。

 意味は、「十分な記憶力の自信がないならば、嘘を言う冒険をしてはならない」である。嘘は2度目にはバレる。モンテーニュ一流の言葉だ。

 これからもこのカレンダーを日めくりながら、洒落た会話表現も、読解の深さも笑いも、日本人不得手の自由自在な熟語表現も紹介したいと思っている。三日坊主の筆者自身のためにも。

 では、Go for it!しっかり頑張って!

 最後に大切なこと。目だけでなく口からもいい発音を伴いたい。発音の「やり直し」と「訓練」あるのみ。

 いつまで経っても世界に名だたるジャパニーズ・イングリッシュでは、日本の英語公教育50年の「大いなる徒労」である。

2012年2月8日   読売新聞)
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